9/15・16で尾瀬に行きました。
お天気が不安定の日が続くので、予報が直前で変わったり…
『尾瀬は雨でも歩く事が出来ますよ!』と小屋のご主人にお聞きしましたので、燧ヶ岳は行ってみて登るかどうかを判断する事にしました。
当初、山友3名と母と私の5名で山行する予定でしたが、2名が行けなくなってしまって3名になりました。
朝5時に到着。
雲が朝日で色づいて晴れる感じがします。
青空が見えてきましたので、2日目に登る予定をしていた燧ヶ岳【日本百名山・東北最高峰2,356m】に初日登ることに。
御池から燧ヶ岳登山口に分岐していきなりの急登の始まり。
ブナも生い茂って実がついています。熊に気をつけながら。
御池登山口で合流した山友のSさんは今回は尾瀬夜行に乗りたいとのことで、公共の交通機関で来ました。
今年の5月にも8名で鳩待峠から尾瀬を歩きました。
母は平地は暑いと言って、山行以外の散歩はしなくなったので久しぶりの山歩き。Sさんが歩行ペースを合わせて歩いてくださっています。
尾瀬の木道はカラマツです。水に強い性質があるので、枕木や杭木で使われていて丈夫な木材です。
ねじれるので建築構造材にはあまり向かないといわれていますが、山小屋などはカラマツで建てられたものもあり、近年ではカラマツ材は見直されているようです。
ある程度登ると俎嵓あたりで池塘が出現。草紅葉になりかけで秋の気配を感じることが出来ます。
白いアジサイのような花を咲かせているのが印象的な6月に対して赤い実をつける9月。オオカメノキです。
アップダウンが続きます。景色が変わっていくのを肌で感じながら標高を上げていきます。
母が少し辛そう?ペースがあがらないので、様子を見ながら。
大丈夫と言いますが、7月末の裏銀座縦走からの疲れが残っていそうです。
燧ヶ岳がようやく見えてきました。 が まだまだ先。
迷いやすいと書かれた看板。この先から脇道に入ってしまうと崖なので危険と書かれてます。
少しずつ岩場になってきたところで母が足を攣り身動き出来なくなりました。漢方を飲んで改善しましたが、重い荷物は持てず。
山友のSさんが母のザックも持ってくださり、本当にありがたかったです。まわりの登山者の方にも気にしていただきました。ありがとうございます。
あともう少し〜。空が徐々に青空から真っ白な景色に。
ふたつのピークがある燧ヶ岳は双耳峰(ソウジホウ)です。
ぽつりぽつりと雨が降ってきましたから、見晴新道から下山する事に。下り始めると、雷鳴が後ろから轟きました。土砂降りの雨に雷鳴るなか急いで下ろうにも足元が悪すぎて前に進めません。
ここから尾瀬小屋到着の写真。
山友のSさんも少し滑っただけでも泥だらけに。私は以前、落雷&強雨で慌てておりて骨折していますから今回は慎重に腰を落として下山。
見晴新道は、暫く大きな岩を下って急な木道と木の根や笹が張り出した泥沼の道を歩きます。
足を出した先で、泥沼にハマって靴もズボンも泥だらけ。強雨でレインウェアを羽織っていてもびしょ濡れ。
グループで歩いて居た身軽そうな若い人達もいつもの調子では歩けないようで苦戦していました。
見晴新道は母が中学生の頃の遠足で歩いたそうで、岩があったけど大した事ないと言っていましたが、その頃と道が変わったようです。旧道は土砂崩れで通行止めとなり、笹藪を切り拓て新しい道として再開されたそうです。
晴れていても歩くのに難儀する登山道ですが、ハイマツ、オオシラビソ、ブナの森と色々な樹木が楽しめる山です。
頂上から登山口までの標高差は1,028m。登りよりも下のほうが長く感じます。
山小屋の方が外の水場で泥を洗い流すのにタオルを貸してくださいました。尾瀬の小屋は珍しいお風呂付きです。
尾瀬小屋さんにお世話になります。
お風呂で冷たくなった体を温めてから談話室でほっこり。服や靴も洗って乾燥室へ。
山小屋とは思えない贅沢なメニューでした。登山中はお酒が美味しく飲めないので、残念でしたが…山友Sさんはマイボトルウイスキーにワイン。それに既に尾瀬小屋ビール2杯目。
来られなかった山友がとても楽しみにしていた人気のあるビールですが、目で楽しみます。
夜中じゅう大雨で星空は観られず残念でしたが、翌朝は雨が上がって青空見えて草木色づく様子がみられました。
秋の花、ウメバチソウも咲いています。
尾瀬小屋〜滑滝〜三条の滝(現在工事中)〜御池まで歩く行程。お天気は前日と同じく、午後から崩れる予定。
標高差があまりない事や、前に歩いたことがあるのでハードではないと思っていましたが、意外にハードでした…。
出会いたかった秋の花、アケボノソウ。
母は遅れると困ると言って先を歩いて行きます。東電小屋が見えてきました。
このあたりもブナの森。先に歩いているのは70代半〜80代のおじいちゃん達。最初は母の後ろにいて母に話しかけて居ましたが、先に出られました。
急斜の階段で先頭を歩いてた元気そうなおじいちゃんが滑って滑落…崖上で止まっていたので、近くにあったロープで引き上げられて怪我もなくてホッとしました。
私もこの日はカナビラとロープを万が一の時は役に立つこともあるかと思って持ってきていました。
滑落を目の前にして、慎重に歩く。
こんなに深い森のなかだった?確かに20代の頃に歩いた際も大変だったのを少し思い出す。
前日の見晴新道にも色とりどりのキノコがありましたが、三条の滝までの登山道にもかなりのキノコが生えていました。
なだらかな湿原とブナの森、急斜面の岩場が繰り返し出てきます。山を歩いているという充実感が得られる道。
もう少し湿度が低いと快適に歩けたのかもしれません。
吊り橋に出ましたので休憩。
ここで大きな荷物を背負ってきたテント泊の方々とお会いして色々な山のお話をお聞きすることが出来ました。
お聞きしたら、山岳会の会長などを務められていたこともあるかなり山歩きに長けた方でした。
Sさんは百名山踏破を目指していますから、行程が長い山歩きはこのような方々と歩かれたほうが安心と思い連絡先を交換させていただきました。
ありがとうございます。
私の仕事関係者のなかにもご家族がソロで登っているのを心配して誰かと登って欲しいと仰っている方もいます。山深い場所で万が一のことがあると見つかるまでには時間どころか見つからないこともあります。
私は、体力的にも歩くペースもご迷惑をかけてしまいそうでご一緒することは出来なさそうですが、色々とお話がお聞きできて楽しかったです。
Sさんの帽子にブローチのようにずっと赤とんぼ。居心地が良かったのでしょう。
とんぼが見られる季節になるとブヨなどの虫を捕食してくれることから虫刺されに悩まなくても済みます。ありがたい存在ですね。
アキノキリンソウ
雨がポツリポツリ降ってきたところで、御池登山口に到着。
9.9km歩いて、この日は雨の降る前に辿り着くことが出来ました。