8/1 縦走5日目は三俣山荘からいきなり三俣蓮華岳の急登のぼり。背面には鷲羽岳と三俣山荘が見えます。
徐々に細く岩を攀じ登るような道になりますので、写真を撮る余裕はありませんでした。
三俣蓮華岳(2,841m)の山頂はお天気に恵まれて殆どのアルプス山脈が見渡せる状況でした。
双六岳に向かう途中で雷鳥の親子に遭遇。
黒部五郎のカールで出会った雛よりも小さくて母鳥のあとをついてまわります。
槍ヶ岳と雷鳥の写真が撮れました。
晴れの日はなかなか出会う事がない雷鳥ですから珍しい写真が撮れたと思います。
風雨が強かったら迷わず巻道ですが、お天気が良いので計画通りです。実は巻道のほうが長く巻道らしからぬ険しさと聞いていたのでほっとしました。
このあたりでルートを間違ったかもしれないと思い、登り返して道があっていることを確かめてまた降ったので母に怒られる…。一日の行程が長いので母が脚が疲れたと言い、私が前半体調不良だったぶんの荷物を母が持っていたので私が引き受ける。
山友さんは大荷物です。私も背負ってしまえば重さは感じなく歩けるのですが、前半の体調ではザックの重みは辛かったかも知れません。
双六岳(2,860m)
双六岳に登る榛松のなかにオコジョがいましたが写真は撮れず。登山道に出て来たいけど出られないようで近くをウロウロ。
槍ヶ岳が前方に見えますが、裏銀座の正式な歩き方は槍ヶ岳へ縦走することです。この稜線は【天空の滑走路】と言われるところです。
今回は槍には向かわずに新穂高に下山する予定です。
三俣山荘から双六小屋まで歩いて休憩入れて6時間。本日の宿はまだまだ先の鏡平山荘。
ここでお腹が空いて、五目らーめんを美味しくいただきました。相席させてもらった子達の話を聞くと有志で登山しに来た高校一年生とのこと。
女の子が居ないね!と聞くと中高一貫の学校とのことで今回、登山が初めての子も居て、ご両親に背中を押されて来たとの事ですが、山歩きは楽しいと嬉しそうに話します。
奈良県の大東寺学園の学生さん達で若い先生が2班に分かれて引率。槍ヶ岳から縦走して来たそう。
凄い!
宿泊先が一緒とのことで、学生さんが出てから後をついていくことに。
双六小屋では診療所が開設されていました。ここまで怪我も病気もなく歩いて来られたことに感謝。
双六を超えるとあとは降りだから楽よ、と母から聞いていましたが登り返しが続く山道へ。
母の昔の記憶は薄れているようです。
クルマユリ
ピンク色の花はハクサンフウロ
キヌガサソウ
イワギキョウ
三俣蓮華岳〜丸山〜双六岳〜弓折乗越などの山々を超えて見えて来た鏡平山荘(2,281)だいぶ標高をさげてきました。
途中、鏡平山荘で働いてる方が登山道のゴミ拾いをされていて、到着が遅くなるかも知れないパーティがいると伝えておきますから気をつけてゆっくり来てくださいね!と仰っていただきました。
山が大好きな山友さんはもう楽しかった山が終わってしまうと言っていました。私は仕事のメールなどが一気に入ってきて、ひとつずつ確認。ほっとしました。
後日、同じ山域を登っていた設計事務所を主宰している友達や仕事先でも新穂高温泉から双六岳までピストンしていた方、表銀座縦走(燕岳〜大天井岳〜常念岳〜槍ヶ岳〜上高地)していた方がいることがわかって、意外と周りに登山する人がいることに気が付きました。
鏡平山荘に着いたら、母が真っ先に食べたかったかき氷。宇治金時がオススメとのこと。
鏡平山荘で出されたお米やお野菜は地消地産のものらしい。とっても美味しくいただきました。
相席になった4人グループのおばさま方は大阪からいらっしゃったという60代。賑やかで楽しそう。
新穂高温泉〜鏡平山荘〜双六途中までを一泊二日でピストンの予定できていたそうです。
今日で山の上での宿泊は最終日。こちらの山荘も宿泊のベットは上下2段になっていますが、落とし込み板で1人〜2人用と限られて床を見たところ、防音対策もしっかりされていました。
上部に居る方の音が響かない下地の仕方。
山小屋は環境的に厳しい地に建っていますからメンテナンスしやすく、雨風や寒さ暑さ凌げる建築的な工夫が詰まっていて参考になります。
鏡池に槍が映ると聞いて散歩がてら行ってみると雲の輪に囲われた槍があり珍しい写真が撮れました。
翌日、朝食を頂いて少し遅めの6:00出発。一緒になった高校生達も同じ時間帯くらいに山行開始です。
朝食の際に相席になったおじさま方は、前半の荒天のなか山行予定がひとつずつ後ろ送りになって烏帽子、野口五郎、小屋に避難、水晶と歩いて来て双六小屋では泊まれなく鏡平山荘まで長距離を歩いて来たとのこと。
お一人は登山初めて!との事で2人のベテランの方の間に入る感じで歩いて来たのでしょうか。大変だったと仰っていましたが、四国の四万十からいらっしゃっている方々でした。
色々な方からのお話を伺うことができるのも山歩きの楽しいところです。
三俣山荘では名古屋から来たと言う女性のおばさま方お2人とお話ができ、60代〜70代の方々。仕事場が一緒と仰って居たのでお話を聞いていたら相当山好きの方達なのかなと思いました。
翌日は少しアップダウンを繰り返しながら、沢を降っていく行程です。鏡池からの景色は雲ひとつない青空。
大雨で崩落が起きた場所。応急的に作られた道で岩の上を歩いて行きます。鏡池で知り合った方々と一緒に下山することに。
山行歴の長い先頭を歩く方は母よりも一歳年上の80歳代のおばさま。慣れた足取りでしっかり歩かれて居ました。
母は普段はお庭の草花の手入れをしているのでスポーツなどはしていませんが、若い頃はスキーを楽しんだり身体を動かすことはしていたので持久力は落ちないのかも知れません。
山歩きはゆっくり確実に足をついて降りることが基本なのだと思います。
急いで降ると登山道もえぐれて痛みますし、将来的に膝への負担もあると思います。昔から山歩きしてきたけど60代後半になってから半月板劣化で山歩き出来なくなった方を何人か知っています。
山岳遭難救助隊の方が仰っていた。
山行経験がながく慣れているからと言って過信は禁物。
謙虚に歩くが基本という言葉が思い出されます。
鏡平からは小池新道を通ってわさび平小屋、笠新道登山口、新穂高温泉駅まで降りて行きます。
秩父沢で高校生の先発グループの子達が後発グループを待ってからの出発準備をして居ました。
わさび平小屋ではスイカをいただく。山友さんは冷やしトマトをまるかじり。こちらの小屋のそうめんが名物です。
標高をさげてきたら暑い。
11℃からいきなり24℃の地へ。さいたまは40℃近くになっていると聞いてげんなり。
一緒に降りて来た母と同年代の方は東京からとのことで、ここでお別れ。双六岳には登らないで鏡平山荘泊のピストンなので登って来た新穂高温泉駅まで下山して公共の交通機関で帰路とのこと。
楽しく山行できありがとうございました。
途中、笠ヶ岳から下山して来たご夫婦と会い、旦那さんよりも奥さんのほうが元気いっぱい。
まだまだ歩けそうな雰囲気の方。
この看板が出てきましたから下山口まであと1時間半くらい?
時折あらわれる岩清水。冷たい風が通って気持ちいい。
岩の間から冷たい風が出て来ます。
橋が架かっているところは橋を渡り、架かっていないところは岩の上を慎重に歩く。母は沢を渡る時のハーネスを持って来ましたが、今回は川のなかを歩いても流されるほどではなかったので使いませんでした。
普段よりも話す機会があって色んな方が山を歩いていることがわかります。話題は山ばかりですが楽しい。
それと今回、意外と建築業や林業関係者など同業の方も居ました。私も子供の頃は両親に連れられて白馬に登ったりしていましたが時間が経過して、母の付き添いで登山を始める前までは仕事で職人さんについて国有林の木曽の山やに入ることや人工植栽された杉の木の新月伐採など卸す材木を見るために行くばかりでした。
もう秋の花が咲いています。
ハギの花。
新穂高ロープウェイ駅が見えてきました。
標高1,103mありますから、平野部よりは涼しいはず。
名物の高山ラーメンとカフェ・オ・レ
11:30に下山して今夜泊まる宿
秘湯の宿槍見館に電話すると14:00にお迎えに来てくださるとの事でお昼して待っていてくださいとのこと。
新穂高ロープウェイ乗り場にあるカフェで高山ラーメンを注文して待機。
母は降りも長くて疲れたとのこと…若い時の倍時間がかかったと話していました。やはり5日間の山行で脚が疲れたのでしょう、母が最後の河原で足を滑らして膝とおでこを打ってしまいましたが、アザは出来ましたが問題ありませんでした。
三俣山荘から鏡平山荘まで10時間。休憩3時間。
長く感じましたが鏡平山荘から新穂高駅までの山行時間は5時半。休憩25分で降りて来ました。
築100年を超える新潟の庄屋を移築して建てた日本秘湯の宿槍見館に泊まってみました 続く。