10年点検②
2023年 12月 09日

10年点検のつづき。
お隣のお子様世代は新築3年ですが、親御さんのお家は古民家再生(リノベーション)から10年。築年数は108年くらいになります。
リフォーム減税を受けるために増改築工事証明書などの作成を当事務所でつくりました。構造検証は構造家の故増田一眞先生ですが、施工は増田先生から紹介頂いた文化財を手がける職人さん達です。
建具屋さんは横浜の三渓園の茶室、京都の清水寺、地元川島町にある遠山家住宅の修復に入ったりしています。左官屋さんは、犬山城の漆喰や土壁など様々な建物を手がけています。
お写真の鳥の絵の額縁の彫刻は無形文化財彫刻師の佐藤昌月さん。私の下絵から立体化してくださいました。
彫刻するのに必要な板の要素があるとお聞きしました。板目を見て、削る方向を考えます。考えずに削ると後で剥がれてしまったり、割れたりするとの事。
こちらの古民家は、どの仕事を取ってみても職人さん達の経験や腕がわかるようなものになっています。
2階の主寝室の漆喰(緑色)もだいぶ落ち着いてきました。
漆喰の着色は色粉を入れるのですが、それは植物だったり、鉱物だったり、配合も左官屋さんの経験からくるものです。
計画から設計期間が半年くらいかかっていますから、当初、お施主様に77坪はこれからの暮らしを考えると大きいので減築しませんか?と提案したのですが、減築はしないで収納場所やお部屋を作って欲しいというご希望。
ですが、10年経った今も減築しないで良かったと仰る。
各お部屋を充分に有効活用してくださっていました。
特に、2階の個室とそのお部屋のそばにある手洗い場付きのトイレは、ご家族が罹った際に役に立ったという事です。私は、母に感染させてしまいましたが…我が家は引き戸。
どの施主さん方の話をお聞きしても、感染の際に閉じこもったお部屋はドアがある部屋。
引き戸よりもドアのほうが気密性が上がるので、そんなメリットがあったのかと気付かされました。
引き戸も引きっぱなしが出来るのでメリットはたくさんありますが、必要に応じてですね。
あっという間に、今年も残すところあと僅か。
それにしても、この冬は日中は暖かく、やっぱり暖冬。
今週末の日曜日は武蔵國一宮氷川神社の十日町です。父が亡くなってから私が熊手を授かりに行っていますので、混雑前の早朝に行こうと考えています。
by atelier-kirara
| 2023-12-09 08:13
| 旅・建築のことなど
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