雲取山①【東京都最高峰 日本百名山】
2023年 11月 06日

母と一緒に一泊二日で東京都最高峰の雲取山へ。
埼玉県・山梨県・東京都にまたがる山でロングコース。
三峰神社【三峰登山口】から奥多摩【鴨沢登山口】に縦走する為、今回は電車やバスを利用。
西武秩父駅からバスで70分。出発予定時刻より30分前でバス停は長蛇の列。臨時便が出ました。
三峰神社への道は紅葉渋滞。
『ここから2時間程度かかります!』というアナウンスがあり、登山口まで残り2kmの車道をバスを降りて歩くことに。
ここでいきなり斜度のある道を歩くことになりました。舗装された林道歩きが嫌いな母が何か言うのではないかと…ドキドキしながら。
バス内で座れたこともあり、母は歩くことができました。
立ちっぱなしの方々も居て大変だったと思います。
先日、三峰神社へ行きましたが、それと反対側の林道を歩くと三峰登山口の鳥居が見えてきます。
登山届けを出して出発!
林道歩いてまもなく白い鳥居が見えてきます。
白い鳥居は穢れのない神聖な領域(神様の場所)に入るものとして昔から扱われてきました。
妙法ケ岳・白岩山・雲取山の三山を三峰山と云い、修験道となっています。
妙法ケ岳が奧宮となりますが、今回はコースタイムにゆとりがありませんので登らずに巻きます。
奧宮は今年の初詣の際に行っています。歩いて1時間半程度の山道のため、いつでも登ることは可能です。
今回ご一緒してくださった前を歩く3人は、普段はお仕事でお会いする方々です。
月に2度くらい低山〜日帰りの山を歩いているとお聞きして、歩き出し順調です。Kさんは学生時代ワンダーボーゲル部だったという事なので、先週、谷川岳日帰り登山でウォーミングアップして来たとのこと。
歩くのが遅くてご迷惑をおかけしないかしら?と心配する母。
ですが皆さん、優しくて足並みをそろえてくださいました。
暫くは樹林帯の根が出ている山道を歩きます。
三峰登山口から3km、雲取山まで7.7km。ここまで30分程度。
先が長いので休憩しながら。
地味に斜度のある道が続きます。
秩父の宮両殿下御尊影レリーフ。
【昭和8年奥秩父御登山の折、殿下御みずから命名されたという霧藻ヶ峰(地元では燕岩)に位置するこの場所に建設されました。【案内版引用】
鉄梯子をあがり、まもなく霧藻ヶ峰休憩舎。
ジャズカフェの名とおり、ジャズがかかって良い雰囲気。
ここでお昼ご飯を。
母からリクエストがあった紀伊国屋の三色あんぱんにカルボナーラ。非常食と山ご飯は一緒なので普段からストックしてあり、賞味期限切れる前に消費できています。
他の方もカップらーめんやアルファー米。お湯をストーブで沸かして食べていました。
紅葉がちょうど見頃。
暖かくなってから、急に冷えると赤い色がよく出るそうです。
ここからは、急登です。
母から『50代の頃に登った際にかなりの急登だと感じたし、若い人達が息を切らしながら登っていた。』と事前に聞いていました。等高線も細やかなので、斜度がキツく標高が一気に上がることがわかります。
岩場あり、鎖場ありの【前白岩山】
登山道がどうなっているのか?知りたい。
と言う方が偶にいらっしゃるので、なるべく登山道の様子がわかるようにお写真掲載します。
ここで、ようやく本日の工程の半分まで歩きました!
『あと何キロ』の表示は直線距離なので、登山道では目安にはなりますが、あてになりません。
途中、苔むして綺麗な場所がありました。
景色を見ながら、時折、短めな休憩を取りながらゆっくりと。
母が30年前、きついと感じたのはここまで。
父とこのルートを7時間程度でピストン。日帰りしているとの事で、体力があったのかと思います。
白岩小屋は今は廃屋状態で崩れかけていました。
このあたりにも茶屋があるとありがたいのですが。
三峰側は修験道でもあるので、途中、山伏の格好をした方にお会いしました。
どんな樹種があるかも確認しながら。
オオシラビソは松ぼっくりが出来る木で建築材やパルプなどに使用されます。
山歩きしていると樹木もたくさんあります。
どんな性質を持つ木なのかを調べるきっかけになるので勉強になります。
三峰神社駐車場あたりから眺めると見える【白岩山】です。
霧藻ヶ峰→白岩山→雲取山へと縦走します。
今年は数日前に鹿狩をしたそうなので、鹿を見かけず。
昨年はブナの実などが豊作で子熊がたくさん生まれました。
連日TVで放送されているように熊の数が増えています。
元々、秩父の山域は熊が居ます。
秩父の小中学校では、今年は里まで降りてくる個体が多いということで、鈴や笛を持たせていますし、昨年、小屋勤めの70代の方が、いきなりとびかかってきた熊を斜面に投げ飛ばしたという報道もされました。
今年はブナの実は不作で増えてしまった熊が餌を求めて里に降りてくるという事態になっています。
林業も農業も山奥では後継者が減り、荒れる山が増加。太陽光パネルを設置する為に山の木を切り、斜面を削ってしまうとそこには植物なども生えなくなります。
人と山で暮らして来た動物達との居場所の境目がなくなって来ていると云われています。
鹿のフンには種は混ざりませんが、熊のフンには消化しなかった種が混ざります。植物は熊や鳥に種を運んでもらっているので、自然界にとっては重要な役目の熊。
ですが冬眠前の食料を確保する季節や子連れ熊に出逢えば、襲われることが多くなり、放置しておくわけには行かずにやむなく殺処分されます。
道は細く、木の根が張り出している箇所が何ヶ所もあります。
右側はなだらかな傾斜ですが、滑落したら大変です。
後日、復路で歩く鴨沢口(奥多摩)からのアプローチのほうが切れている斜面が谷が深く危険だという事を実感することに。
三峰口(秩父)からのアプローチは登り返しが何度もあり、キツいこともありますが、滑落の危険性は比較的少ない道なのではないかと思います。
テント場が見えてきた頃には、17:00で日暮れ前。
ヘッドライトを首にかけて準備をして居ましたが、使用せずに済みました。
途中、山小屋に連絡して山行予定から1時間遅れている事を伝えると、遅くなっても良いので気をつけて来てください。とのこと。
埼玉県の山々はどこも一緒なのですが、携帯の電波が届きません。雲取山頂近くになると、東京都のエリアもあり、拓けたところでなんとか繋がる程度。
到着して受付しようと中に入ると、雲取山荘の御主人がいらっしゃって『もう少し早めに到着できるようにしないとね。』と優しく諭されました。
遅くとも16時には着く予定でしたが、7時間40分(うち1時間57分休憩)かかりました。
母は『もう昔のように歩けないので引退かしら。』と言っていたところ、山荘のオーナーから『まだまだ登れるでしょう!大丈夫だよ。』と激励されていました。
日暮れ時の雲取山荘。空が蒼く綺麗です。
建築写真家の方から、日暮れ前を狙って撮ると綺麗に撮れるとお聞きしているので、ちょうどその時間帯に間に合いました。
雲取山荘は大きく、部屋も28部屋程度あるようで広い。
廊下には造り付けの本棚に書籍が並べてあります。
小屋番の方から、鹿の食害で昔よりもだいぶ草花が減ってしまった事を教えて頂きました。
雲取山は日本百名山でありながら、日本花の百名山であります。母の記憶では山頂付近に沢山のお花が咲いていたそう。
5名で個室に泊まることになっていましたので、布団は自分達で敷きます。豆炭こたつが8畳間の中央にあり暖かく癒されます。山小屋はコロナ禍以降、大部屋では仕切りを設置したり、宿泊人数を減らして感染対策をされてます。
インナーシーツは持参したものを使用して、布団が汚れないようにします。
コロナ禍前は、一畳に2人寝るといった雑魚寝です。
相部屋であっても男性、女性と分けたり、夫婦では同性同士を隣にするなど配慮がありましたが、山に上がって来た登山客を受け入れる役割をするので詰め込み式でした。
今は予約制になっている山小屋ですが、誰でも受け入れるが以前は基本的な考え方でした。
無理な山行は体力を消耗し、遭難に繋がります。
食堂は賑やか。ご飯はおかわり自由。
Yさんも、Hさんもおかわりされてたので、歩いてご飯も美味しくいただけたのかと思います。
母は少し疲れ過ぎたのか、お米が喉を通らない様子でしたが、ハンバーグ、冷奴、ポテトサラダにトマト、こごみのお浸し、お味噌汁は完食していました。
お野菜がたくさんあって、美味しく頂きました。
予定では、この日に雲取山山頂へ夜景を観に行く行程でしたが、すでに27,000歩を超え10.9kmを7時間40分(内休憩1時間57分)かけて歩いて来たので体力が残ってなく、山小屋から夜景を見る事に。
都内の灯りが晴れた日は見えるそうですが、霞がかって見ることはできませんでした。ですが、翌朝3時頃に外に出ると星空が見えました!
オリオン座をスマホで撮ったものは写真上。
2枚目の下の写真は一眼レフデジタルカメラで撮ったもの。
カメラはもう少し練習が必要そう。
歩いた累計標高差は1834m,消費カロリーは2,000kcalを超えました。
個室で少し歓談して消灯が21時。翌朝、点灯が4時。
山小屋の朝は早く、5時に朝食。
母はいつも山小屋に来ると睡眠があまり取れないのですが、消灯後は珍しく2時間程度寝ていました。
一緒に山行して来た方達は、ぐっすり。
明け方は早くに目が覚めていたそうですが、布団をかぶっていないと寒かったようです。【続く】
お写真は、皆でそれぞれ撮ったものを共有しています。
今から70年近く前
高校時代に親友3人で雲取山に登りました
結構歩きでのある山で楽しみながら苦しみました(笑)
頂上についたら山頂の表示板に東京都と書いてあって拍子抜けしたのを覚えています
あれから70年・・拝見しながら
山は今も凛としてそびえていても登った私たちは80歳もはやあの頃の元気はありません(苦笑)
いつもお元気に登山を続けられるご母堂との登山行敬服しています
ご一緒に登ってるつもりで拝読しますのでこれからもご健勝に登頂していただけますよう祈っています
高校時代に親友3人で雲取山に登りました
結構歩きでのある山で楽しみながら苦しみました(笑)
頂上についたら山頂の表示板に東京都と書いてあって拍子抜けしたのを覚えています
あれから70年・・拝見しながら
山は今も凛としてそびえていても登った私たちは80歳もはやあの頃の元気はありません(苦笑)
いつもお元気に登山を続けられるご母堂との登山行敬服しています
ご一緒に登ってるつもりで拝読しますのでこれからもご健勝に登頂していただけますよう祈っています
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> touseigama696さん
ありがとうございます。
70年前に登頂されたとのこと。その頃は、今よりも自然豊かな環境だったと思います。
お若い方でも歩きでのある山と感じるほどキツイですね。楽しみながら…苦しんだというお気持ちわかります。
三峰口からの登山者は少なめで、山小屋到着までに私達チームだけになってしまいました。三峰口からが表参道、修験道ですが、やはり早朝から登れるのでしたら、鴨沢口からの方が多いようです。
紅葉渋滞は三峰神社散策の方が殆どだったと思います。
母とあとどのくらい一緒に行けるか?わかりませんが、歩ける限りはお付き合いしたいと思っております。
79歳の誕生日目前にしての雲取山山行でした。
これからも山歩き続けますので、よろしくお願いいたします。
今週は冬を感じられるような気温になるようですので、ご自愛くださいませ。
ありがとうございます。
70年前に登頂されたとのこと。その頃は、今よりも自然豊かな環境だったと思います。
お若い方でも歩きでのある山と感じるほどキツイですね。楽しみながら…苦しんだというお気持ちわかります。
三峰口からの登山者は少なめで、山小屋到着までに私達チームだけになってしまいました。三峰口からが表参道、修験道ですが、やはり早朝から登れるのでしたら、鴨沢口からの方が多いようです。
紅葉渋滞は三峰神社散策の方が殆どだったと思います。
母とあとどのくらい一緒に行けるか?わかりませんが、歩ける限りはお付き合いしたいと思っております。
79歳の誕生日目前にしての雲取山山行でした。
これからも山歩き続けますので、よろしくお願いいたします。
今週は冬を感じられるような気温になるようですので、ご自愛くださいませ。
by atelier-kirara
| 2023-11-06 23:20
| 登山
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Comments(2)