人気ブログランキング | 話題のタグを見る

長町武家屋敷跡界隈

長町武家屋敷跡界隈_a0129492_21013581.jpeg
金沢の観光中心街には、主計茶屋・ひがし茶屋街・長町武家屋敷跡界隈・香林坊・にし茶屋街があります。ここは日常の生活圏としても機能していますので、下校中の学生さん達が観光客の外国人の方々に英語で挨拶する姿が印象的でした。
金沢にご実家があって金沢育ちの知人にお聞きしたところ、そのおじ様が育った60年前からの慣習らしいことがわかりました。
長町武家屋敷跡界隈_a0129492_21014776.jpeg
土塀が続く佇まい。
石畳みの通路とバランスよく。
土壁は防火壁にもなりますので、延焼を妨げる役割を担います。
長町武家屋敷跡界隈_a0129492_08243289.jpeg

長町武家屋敷跡界隈_a0129492_08251056.jpeg
加賀藩主の屋敷跡など見学できる屋敷も何棟かあります。
写真は立派な長屋門を備えた武家の住まいで厩屋もありました。やはり建具や格子、外壁の下見板などの保存状態が重要文化財だけあって良いです。
施主さんの住まい二棟を文化財補修を行っている建具屋主体の工務店に依頼しましたが、材木の質が同じような感じで違うような気がしています。
日本家屋は梁土台や小屋組などの構造材以外の殆どが部屋を仕切るにしても木製建具で構成されています。建具は開閉するものなので、なるべく反ったり歪んだりしないような管理の行き届いた材が必要です。

施主さんの住まいもですが、改修後は木材などはあまり劣化していかずに経年変化を楽しめると思います。実家の台所の床も施工したばかりの輝きを放って居ます。
【木の面倒を見る】という言葉を設計監理の際に職人さん方からよく聞きましたが、材木となったあとでも木の面倒を見るという事が大切なようです。
元々が目が詰んでいる材を見分ける能力も必要ですが、そういった過程のなかで保存されていくのだと思います。
長町武家屋敷跡界隈_a0129492_21021351.jpeg

長町武家屋敷跡界隈_a0129492_21020278.jpeg
水量が多い水路。屋敷内からも水がこの水路に合流しています。屋敷内には池などもあるでしょう。
岐阜県郡上八幡の家屋調査で見せて頂いた民家は、水路を家の土間まで引いて生活水として野菜を洗ったり、洗濯に使用されて居ました。ここ金沢ではまた違う用途で引かれているのかも知れませんね。

茶屋街では防火壁【うだつ・卯】も見られました。土壁や漆喰の袖壁の事をさします。
歩いて居て癒される街並みです。時間が取れずに主要部のみ見て周りました。
印象的だったのは金箔を観光の売りにしていたことで、金箔が貼られたソフトクリームを頬張る海外からの観光客の姿が沢山あったことです。
九谷焼や加賀友禅などのお店が以前訪ねた際は目に入りましたが、あまり無かったような気がします。


by atelier-kirara | 2023-04-21 09:03 | 旅・建築のことなど | Comments(0)

日々の暮らしのこと建築のことなど書いています。お付き合い頂ければ幸いです。


by atelier-kirara