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二重断熱

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建築基準法改正にも携った元議員の方から日本中の家を外断熱と内断熱の二重断熱にすれば、現在走っている自動車が全て電気自動車に置き換わったくらいの二酸化炭素抑制効果があるらしいと聞きました。
二重断熱が進んでいないのは先新国の中では日本だけとか。
日本は何か外気と遮断されるのを嫌う伝統があるんでしょうか?の質問。

それは承知して居て、リフォームでは条件が合う施主さんの家は二重断熱にして居ますが、今のところ東北に限ってます。
なので出来なくはありませんが、二重断熱になるとコストがかかる。資金が潤沢でないと出来ないばかりか施工店が慣れて居ないと施工不良に繋がる可能性があること。
日本には四季があり湿度もあるため外断熱の慣れている施工店なら良いのですが、慣れていなければ施工不良につながりやすい。(理由は以下省略)

実際の現場では30坪〜40坪程度の敷地のなかで軒が出せるか出せないか?の中で外側に壁厚が増えることは望ましくなく。
また、東京都内においては尚更敷地面積にゆとりがない&各地で気候も違い、これを義務にするのは現実的ではないでしょう?という話をしました。

リフォームでは元々の軒や外壁の納まりをよく考えないと外壁側にフカした場合に水切りや庇などとのおさまりがつかなくなります。
ここに貼っている写真はリフォームした施主さんの家ですが、寒い地域で室内や構造材の結露が酷かったので二重断熱にしました。詳細図を描いて納まりを検証して職人さん達と何度も打ち合わせしています。
出来れば快適です。朝、暖房を入れる前で冬季に10度〜12度下回ることは無くなったということですし、結露をしなくなったとの話を聞いて居ます。

これからの住まいは新築時に省エネ4等級以上が義務化(2025年4月〜)されるので、当然ながらに現在計画中の案件についても施主たっての希望でやりたくないという事がない限りは行います。住宅金融機構の方からは外壁真壁でも性能の良い断熱材が出てるので数値はクリア出来ると思うとは言われていますが、屋根などが表しでは意外と難しいのではないかと思います。

防火地域などに入っている住宅では真壁は普通にしていてはできませんが、燃えしろ設計で行います。
設計事務所では、役所と協議しながら進めますので問題なく通りますが、あまり詳しくない方や施工者が協議に行っても最終確認まで持っていけないことがあると聞きました。
審査側でも慣れていない事がありますので説明が必要です。

釣りをしながら、こんな話をしている事があるのはせっかくの休日も仕事の話?ですが、釣りの友達(ご高齢の友)なので話せる機会があるだけありがたいです。
元々がパブリックコメントなどで意見を募ったりして居ますが、改正に関わる方には建築が専門分野ではなく法科出身の方々の意見が強いのではないかと思っています。
専門分野の有識者の意見も取り入れて居ますが、必ずしも現場に携わっているとは限りません。

つくる側としては義務化された事は守りつつ、居心地の良い暮らしを少数派でも一緒に作っていければ良いなぁと思います。現場が好きなので長時間いる事が多く、行くほど施工会社さんから嫌がられているのではないか?と思っていましたが、聞いてみたところ現場監督も職人さん達も大歓迎だそうです。

8年前にお引き渡しをした施主さんとお話をしたところ、快適に過ごせているとの事でホッとしました。
ご主人が張り切って年末のお掃除をしたそうで、既に新年の準備万端と伺いました。ご高齢のお施主さん方々が数組いらっしゃいますが、住まいが新しくなると旦那様が率先してお掃除するようになる?事が多いのですが?その理由はわかりません。木の温もりが心地よいのと磨けば磨くほど材に愛着が湧いてくるのかもしれませんね。
それに動くことで健康回復にも繋がっているようです。

by atelier-kirara | 2022-12-16 13:40 | 仕事諸々 | Comments(0)

日々の暮らしや建築のことを書いています。お付き合いいただければ幸いです。


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