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古民家

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古民家再生からちょうど丸4年経ちました。
大学時代の恩師を案内しました。
急なお願いでしたが、快く受け入れくださった元建て主さんに感謝。
玄関には、いつも可愛い感じで草花や置物が飾られていて楽しんでいらっしゃるご様子がわかります。
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全体的に漆喰の壁や木部が経年変化で落ち着いてきていました。
色を入れた漆喰にもご興味頂いて。壁のクリーム色やコーラルピンク、グリーンはどのような配合かは企業秘密です。
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壁も色褪せが気になっていましたが、大丈夫そうでした。
このグリーン色は左官職人さんと何度も打ち合わせをして作り出したので、私も好きです。
主寝室ですが、落ち着きます。

風通りに気を遣った間取りなので、このお部屋では冷房入れたことがないのですよ。
今の季節も自然の風が気持ちいいです。と奥さまから、先生にお話してくださいました。
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ブビンガの板で作ったインタフォンカバー。
外壁、内装の床、天井、壁は、職人の鉋掛けの技術が高いので、塗装をかけず、無垢のままです。
外壁の下見板などは少しずつ変化中ですが、今はムラの状態。
5年目頃には、完全に茶色、その先はチャコールグレーに変化していくでしょう。塗装かけなければこうした楽しみもあります。
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るんちゃんとぽーちゃんは、犬専用部屋でお昼寝中でした。
玄関続きの床は、栃木の鹿沼市産の鹿沼石敷きです。この家は、全てが手作りで家具に至るまで図面を描いたものを其々の職人さんが制作してくださっています。
シンクもオーダーですが、TOTOの浴槽、便器、AEGのビルトインコンロやミーレの食洗機はメーカー製のものです。

今回、建て主さんのお話も伺って、キッチンに組み込んだダストボックスが、ごみ入れとしてではなく、収納でお使いになっていることがわかりました。家具に組み込むよりも、ごみ箱は置き場を考えたほうが良いという発見。
建て主さんから、住まわれてからの様子をお話いただくことで次の設計に活かすことができます。

先生のご感想は、建替えか再生で迷われたということでも、再生して正解だったね。
今は、これだけの材料を使って建てることはできない。
建て主さん、職人さんと一体になって共に作り上げたということがわかりましたということで、ほぼ合格点をいただきました。
設計のご依頼から、お引き渡しまで3年かかっていますのでその言葉にホッとしました。
天然素材なので空気が違うね、職人さん、本当に丁寧に作っているね。との感想をいただいて無事終了。

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駅に送りながらもう一軒。
国登録有形文化財に指定されている二木屋さんへ案内。
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玄関先のムクリ屋根がお出迎え。
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元々は、陸軍将校の別邸でその後、厚生大臣を務めた小林英三氏が疎開用に購入。
その後、相続されてお孫さんの代で会席料理店として、文化財の保存もされているようです。

オーナーは同じ氏名なのですよ、とお店の方。
私と同じなので、親近感。
しかも屋敷主の小林英三氏は先生と父と同じ大学の出身ということがわかりました。
秋口には能も鑑賞できますので、是非。

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先生も色々な事を、ご存知でお話されるので、お店の方も興味深く聞いていらしたようで、仲良く楽しそうでと言われると「教え子なのですよ、僕と輝子さんのお父さんが偶然大学時代の同級生で親代りなのです。」と嬉しそうに話す先生。

お料理は、会席。
この日は、鹿児島県産の牛ステーキでちょうど先生の故郷の食材。
私が写真を撮る理由は、使用されてる器やお料理の彩りも建築設計の役に立つからです。

本物で上質なものとはどんなものかを知った上で、設計しませんとフェイクでする場合はそれらしくはならないものです。

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お料理のコース名が「鹿児島」だったりするのは、オーナーさんが幕末の歴史にご興味があり、その舞台となった地域名を付けていらっしゃるそうです。
お店の方がいらっしゃる時などに、名付けられた由来やその建物の成り立ちや所縁のものなどをお聞きしたりするのですが大抵の方は喜んでお話をしてくださいます。私の職業がわかると、安心して話してくださっているのがわかるので、ありがたいと思います。
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お料理の一部。
お昼時なので一番軽めなものを。
美味しくて、残さず食べてしまいましたが充分にお腹いっぱい。かまどで炊いたご飯など、食材にもこだわりが見えます。

先生の奥さまは、英語などの翻訳や通訳のお仕事をなさっているそうでご夫婦でお元気なことがわかりました。
2時ごろまでゆっくり過ごし、帰宅しました。
長崎へは、10年以上行って居ませんが懐かしく。なかなか行く機会が無いのですが。
友達が長崎行ってきたと聞くととても羨ましく思ってしまうのですが、プライベートで行きたいです。

by atelier-kirara | 2019-06-18 17:52 | ◆S邸古民家再生・改修 | Comments(0)

日常のこと建築のこと気ままに書いています。気長にお付き合い頂ければ幸いです。アトリエきらら 小林輝子


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