誕生日なので
2016年 04月 06日

育児休暇中の妹が姪を連れて来ています。
家族の誰一人としてこの時は父が癌の末期だった事を知りませんでした。
退職後も仕事が好きで当時マンションの工事現場などの管理をしていました。気丈な性格なので体調の変化に気がつくのが遅れたのかも知れません。
古稀の祝いから間も無くして70歳で亡くなりました。
旅館で用意してくださったちゃんちゃんこ?とワイン、そして孫に囲まれて嬉しそうにしていた顔が思い出されます。
父はゼネコンの現場監督で、専門は高層ビルやホテル、学校、都市開発などの大型建築の施工管理をする現場監督でした。
現場監督と聞くと、現場で設計図通りに仕事を行えるように職人さんたちを手配する役割を担っていることはご存知の方は多いと思います。
父の場合、一級建築士、施工管理技士一級を持ち、監理技術者として設計事務所やゼネコンの設計部が描いた設計図書の打ち合わせをしたり
現場でモノがおさまるように承認図、施工図面や、詳細図などを書いたり
積算、見積もり、発注、レベル出し、墨出し
現場の安全管理や工程をつくり、職人さんの手配、工事許可に関する手続きなど一切の事を行っていました。
現場監督は、実際に建物を建てる管理をする人ですから、図面で不具合あるところを出来るように協議したりと責任の重い専門職です。
ただ、やりがいはあります。
現場一筋48年。
楽しそうに仕事をする父を見て育ちました。
そんな父とはあまり仕事の事は話しませんでしたが、私がまだ独立前で先生にお世話になっている時に設計担当を私にと指名してくださったお施主さんが居ました。
先生も施主さんの希望だからと担当にしてくださって、鉄筋コンクリート打ち放しの事務所併用住宅でしたので、それがきっかけでコンクリートが得意な父と施工の話をもつことができました。
今思えば、機会をいただいたお施主さん、先生には感謝の念に絶えません。
父は、コンクリートの打設が難しいといわれる形状のモノの施工管理ができるとのことで、外から呼ばれて出向になっていた時期もありました。
今でも、お施主さん方々からは亡くなったお知らせ後も家族宛にも年賀状が届きます。
そんなことを思い出しながら本日も仕事で外出です。
誕生日の度、この仕事は父の想いもあって続けていこうと気持ちを新たにします。
幸いに、職人さんはじめ、施工してくださる方々に恵まれて建物を建てることも設計もひとりでは出来ませんから技術的にも応援してくださっている方々が居ます。
遠い地(長崎)から大学の先生からの便り。
頑張っていますね!また、仕事見せてくださいねとのこと。
紹介や知り合った縁でご依頼されることが多いですので、応援して頂いているお施主さんに感謝しています。
by atelier-kirara
| 2016-04-06 08:11
| 仕事諸々
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