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それぞれの役割

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広縁の4カ所に取り付ける戸袋の鏡板ができあがりました。(横の材は仮押さえ。真ん中の継ぎ目に押渕が入りますので未完成ではありますが)棟梁のホリさんが丁寧に仕上げてくださっていますので、良い出来栄えです。
ですが、一昨日はこの鏡板の件をめぐって建具屋のトシさんと大ゲンカ。
設計者も施工者もお施主さんの住まいを良いものにしたいという気持ちは一緒なのですけど、それが理解できるがゆえ難しいところです。

設計事務所はお施主さんに代わって設計や監理をする立場にあります。
イメージや気持ちを汲み取ることに時間をかけ、間取りなどを考えていますので、施工とはまた違う視点からみていますが、それがなかなか伝わらないことがあります。
昔は設計事務所に依頼する人は限られて居ました。設計事務所に設計料を払い、ご依頼するお施主さんは施工と分離したところでの要望や気持ちを共有することを望まれて信頼して任せてくださっています。
工務店内部に優秀な建築士が居て施主の要望を良く理解して設計を行えるということを売りにしている施工会社も多くなりましたが、設計事務所にいらっしゃるお施主さんが求めていることはそれだけではありません。

「よくね、私達夫婦も小さな喧嘩をちょこちょこするんですよ」とお施主さんが間に入ってくださいました。ほんとうに、ありがたいお施主さんです。間にこうして入ってくださっても、設計をご依頼されている以上、方針を変えることはありませんがその都度、職人さんからのアイデアも時と場合、現場状況に合わせて取り入れることも考えています。
2階の雨戸が実際は、8枚から3枚剥ぎになり、1階の戸袋の鏡板が3枚から2枚になったわけですが、それは建具表に図示してあることとは異なっていても現場が仕上がって行く中で設計者としてお施主さんの気持ちを汲んだイメージ範囲内に仕上がることを想像できたことが一番。折角だからもっと良い材を使って仕上げたいという職人さんからの気持ちを感じたからです。

それぞれの役割_a0129492_124119.jpg昨日喧嘩してしまったから、今日は見積の為の矩計図は自分が描くからと言って遅くまで図面を引いている建具屋さんです。
もちろん、今の時期の図面は東北のお施主さん宅の施工図です。
「亀の甲より年の甲」という諺があるように、職人さんからも得ることが沢山あります。
職人さんも代々受け継いできた手法を自分のモノにできてから、経験と努力を積み重ねてその結果、棟梁なり、親方と呼ばれるようになっていきます。
今年に入ってからも仕事がひっきりなしに来て居ますので、職人さん達は一日も休まず仕事をしています。
それぞれの役割_a0129492_2111473.jpg東北のお施主さんのところから、来てくださっている棟梁のナナさんはお風呂上りの薪ストーブの焚火。
もうすぐ寝る時間とのことですが、東北のお施主さん宅の2期工事の納まりを一緒に検討していただくために起きていてくださっています。
材寸などを意匠に合わせて検討しなくてはなりません。
現場でも気が付いたことがあれば、その場で対応する為に大工さんにお話しますし、職人さんからも質疑があがってきます。現場に行ける時は、現場での対応がスムーズ。
間に合わない場合は電話になります。
「ケンカになるのはお互い様だよね、でもごめんなさい」というのをお聞きしてホッとしました。

一つの建築物が出来上がるまでには色々なことがありますが、一番、良く無いことは最後まで分かり合えないことです。お互いが協力することや無い部分を補い合うことで良いものが作れると思います。
S邸のお施主さんは一部始終を見て居ますし、やり取りも聞いて居ましたのでたまには?こうして実際のところも知っていただくことも大切なのではないかと思い書きました。
by atelier-kirara | 2015-02-15 02:38 | S邸古民家再生・改修 | Comments(0)

日々の暮らしや建築のことを書いています。お付き合いいただければ幸いです。


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