寸法採り
2015年 01月 29日
お施主さんのところに辿り着くのにいくつもの川を渡りますが、東北の河川は水が澄んでいて雄大です。私の生まれ月は一白水星魚座。それが関係するのかはわかりませんが、水の気を感じるところに居ると良い気を沢山吸収できるような気がします。行く途中に、白鳥の飛来も確認できました。
「昨日は暖かかったのに、また今日は特に寒い」と棟梁のナナさん。どうも、私が現場に来る日はいつも気温が下がるようです。
北側の断熱材施工・窓枠設置は終わり、この日は建具職人のトシさん、そのお仲間で同じ伝統建具技術保存会の高平さんと共に建具の寸法採りをしました。
私の設計段階では、このような大きな下見板を使う予定では無かったのですが建具職人のトシさんから、文化財などで一度してみたら、納まりも良く、見栄えも良かったというアイディアから図面も厚みのある大きな下見板を使い、簓子下見から押縁下見に変更して納まりを描いています。
大工さんによって違いますので、現場合わせで設計監理の時に質疑をあげてもらいながら決めて行きます。実際の現場では、写真のとおりナナさんが加工したのは簓子(ささらご)。
お施主さんと棟梁のナナさんは昔からのお付き合いで、今回設計依頼をお請けしたのと同時にお施主さんから紹介いただきました。設計側として意匠的には材の見付け寸法などが大きく変わらなければOKですが、職人さん達と相談しながら現場は進行します。
施工してしまった後に「設計時の意匠と違うのでやり直してください」というのは、職人さんとの意思疎通も計れないので綺麗にできません。なるべく、足繁く現場へ通う理由です。
後からのやり直し施工は、出来る限り避けなくてはいけません。
職人さん同士で納まりの検証と寸法採りをしていただいている間に、奥様と室内キッチンスペースのお打ち合わせ。町内会の方や、お友達などの周りの人達が出来上がりをとても楽しみにしてくださっているとお聞きして嬉しくもあり、緊張もあり。
お菓子づくりなどを教えていらっしゃる奥様も楽しみにしていますのでご期待にそえるように、これから家具製作図を仕上げていきます。面材は桜を使います。居間食堂とキッチンが一緒ですので、明るく優しい感じの雰囲気に。お菓子作りや茶道をされていて人の出入りが多い家ですので、広く使っていただければ嬉しいです。
米粉で作られたケーキはもっちりとした口当たり。甘さも控えめで、ほのかにお米自体の甘みを感じます。
お料理上手なお施主さん方とのご縁が続いていますので、私のほうも色々とお話しをお聞きすることで教えていただくことも多くて楽しんでいます。
外では寒い中、大工さんが作業をしています。お施主さんのお孫さんが「寒いのに大変でしょう」と話しかけたら「寒さよりも楽しいからいいよ!」って。
この仕事を楽しいと言って作業していただいている、ありがたいですね。