渡り顎(わたりあご)など
2011年 01月 15日
年が明けてからの課題は、一日も早く工務店へ見積もり出しをすること。
今回は吹き抜けと言っても平屋に近い高さなので、と思いましたがやはり渡り顎にすることにしました。
差鴨居の上に乗る小屋梁を渡り顎にします。それだけではなく、軒桁でさらに挟みこみます。
伝統的工法が施主の希望なので、金物を使わないから少しでも引き抜きなどに耐えられるように。
渡り顎は外壁に見えてくるので、好みもあります。できない場合は、また梁かけを別にして、兜蟻掛けになりますが・・・一箇所変わると全て検討し直し。吹き抜けを囲む天井も今は踏み天井でいく予定。
寒冷地なので断熱サッシ(樹脂)にします。コストはアルミサッシよりも高く、見栄えもいまいちですが・・・。機能面がある程度保証できるものでないと、結露と寒さと、いずれは開け閉めにきしみが出る場合があるようですから。枠をサッシが目立たないように考えて図面に詳細図を折り込みますが、予算もありますので工務店さん、そこまで作って下さるかは大工さん次第?
手間がかかることを望めば予算に響いてくるというのはわかっていますので、以前も「できたらこうしたいカナ」という希望は見積もり図面の他にFAXでちょこちょこ社長のほうに送っていました(苦笑)
竣工した家はしっかり大工さんが希望通りの枠を加工して付けてくださっていたのでのっぺりではなく、見栄えがよかった。感謝しています。予算が厳しい中でもきちんとした仕事をしてくださるのはありがたいです。
「きちんとした」というのはそれをやらないと不具合があるとか、瑕疵になるとかではなく、通常、手間がかかるので省かれる部分をあえてやってくださるということです。
それは見栄えも違ってきますので、職人さんのプライドもあると思います。
伝統的建築の場合は棟に上げる札に工務店名の他、この工事に関わる棟梁、他職人さんの名前も記載されます。なので、いつまでも名前が残るわけです。
この冬は、ちょうど1年前と同じくお篭り状態で図面かいてます。
まだまだ、作業の手順に色々時間がかかって、工務店の社長からも「今どの辺り書いてるの~~~?」なんて連絡も来たりするのですが、開業2年目。建て主さんも、工務店さんも、周りに仲良くおつきあいして下さっている設計者仲間もそばに居ますし、幸せを感じます。